ラストワンマイル協同組合(理事⻑:志村直純、東京都府中市)は、EC 事業者に向
けた「LCC 配送ソリューション」を推進する事業戦略を策定しました。
「LCC 配送ソリューション」は、単に「格安」を意味するだけではなく、「適正な
運賃」で、「適正な物流効率・サービスレベル」を満たす独⾃のサービスとして展開して
いきます。
協同組合という組織体制の強みを活かし、商品を出荷する荷主と、配送する運送会社の双
⽅が喜ぶことが出来る各種ソリューションを開発し、提供していきます。
【LCC 配送ソリューションの特徴】
1)多重構造の組織ではない、また、利益追求の株式会社組織でもない「中⼩運送会社が
⼀丸となった集合体の協同組合」として、事務経費などを差し引いた利益を配送会社
(組合員・協⼒会社)に多く還元していきます。LCC配送であっても、配送会社に
は、⼤⼿キャリアーと⽐較しても⾼い運賃を⽀払っていきます
2)荷主企業に対して、適正で安定的な運賃を提案することで、⼤⼿キャリアーと⽐較し
ても魅⼒あるサービスを提供していきます
3)「運賃の値上げを受けているが、以前に近い様な運賃で出荷したい」「安定し、頻繁
な値上げにならない運賃で出荷したい」といった荷主企業の要望と、「今まで低運賃
だったので運賃を多く収受したい」「燃料⾼騰、⼈件費上昇など厳しい情勢を理解し
てほしい」といった運送会社の要望の双⽅を満たす独⾃のサービスメニューを開発
し、市場投⼊を図っていきます
【LCC 配送ソリューションの推進の背景】
2024 年 4 ⽉より、トラックドライバーの時間外労働の上限規制がスタートし、物流の「2024
年問題」の影響が広く懸念されております。
物流を担う運送事業者は、ドライバーの⼈件費の確保や、燃料や⾞両をはじめとした各種価
格⾼騰などへの対応として、運賃の値上げに向けた交渉を全国的に進めております。このた
め、今後、広く運賃をはじめとした物流コストの上昇や、サービス⽔準の⾒直しが⾒込まれ
ております。
⼀⽅で、宅配・EC 市場は拡⼤が続いております。令和 4 年の⽇本国内の BtoC-EC(消
費者向け電⼦商取引)市場規模は、22.7 兆円と前年⽐ 9.91%増と⼤きく拡⼤しています。
このうち、物販系分野は 13 兆 9,997 億円と同じく 5.37%増加し、今後も拡⼤の⾒通しで
す。また、令和4年度の宅配便取扱個数は 50 億 588 万個で、前年度と⽐較して約 1.1%の
増加となっております。とりわけ、上位5社で全体の約 99.9%を占めており、⼤⼿キャリ
アーによる寡占状況となっております。
2017 年頃からの「宅配クライシス」、また、昨今では物流の「2024 年問題」への対応とし
て、宅配の⼤⼿キャリアーの運賃の値上げが相次いでおり、当協同組合では「頻繁な値上
げにならない安定した運賃」を求める荷主企業の切実なニーズをうかがっておりました。
このようなニーズに応えるべく、協同組合の強みを活かすとともに、事業基盤の強化を図
り、適正価格で安定したサービスを提供する各種「LCC 配送ソリューション」の準備を進
めてまいりました。
【今後の展開】
当協同組合は、拡⼤する宅配・EC 市場に対応するべく、宅配⼤⼿のバイパスライン
(副経路)を担うことを⽬指し、中⼩運送会社がスクラムを組んで、2018 年 4 ⽉に
発⾜しました。2024 年問題への対応など、今後、宅配事業・ラストワンマイル事業
のコスト増加が懸念されている中、2024 年度から様々なニーズに沿った「LCC 配送ソ
リューション」の開発と実装を進めてまいります
https://www.lnews.jp/2024/07/q0702302.html